血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス/真行寺のぞみ/電撃文庫

血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス (電撃文庫)


電撃文庫初期の迷作として一部で名高い作品。主人公と同名ペンネームの、現役女子高生作家が書いたっていう触れ込みだけど、なんか既存の作家の覆面じゃないかって説もあるみたい。あらすじは……えー、なんだろなこれ。なんて説明したらいいんだろう。女子高生が色々性的な目に遭う現代(つってももう10年以上前の作品だけど)版『アリス』?七人の小人にレイプされそうになったりネアンデルタール人にレイプされそうになったり洋品屋のおやじにレイプされそうになったり警官にレイプされそうになったり極めつけは浦安ねずみにレイプされそうになったり。一応、表紙裏のあらすじによると"ゲームと現実の狭間の異世界空間"が舞台っていう、それだけ見るとありがちなアレっぽいけど、同じ電撃でも同年に出た『クリスクロス』と違って、ゲームがどうこうって要素はさして重要には思えないなあ。一応この頃って"電撃小説大賞"がまだ"電撃ゲーム小説大賞"だった頃なので、そこら辺を意識してみたのかなあ、とか。別にこの作品自体は大賞出身ではないけど。現役女子高生作家とか売りにするんなら新人賞出身の方が何かと得じゃないかという気もするんだけど、それをしなかったってことは、やっぱり既存作家の人が書いたのかなあ。


全体の流れを把握しようとすると困難だけど、どういうのを狙いたいかっていうのは、むしろ分かり易い……ような、気も、する、んだけど、各所の感想見て回ってると、いまいち確信持てないなあ。シュールな妄想、女子高生の赤裸々な内面、世間からは変な視線で見られたりもしたけれど、私は元気です、とか、そんなような。そういうレッテルを安易に張るのも危険な行為ではあるけれど、にしてもこの作品は色んな要素があからさま過ぎるくらいにあからさまに思えたなあ。