封仙娘娘追宝録(10) 天を決する大団円(上)/ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫

天を決する大団円〈上〉―封仙娘娘追宝録〈10〉 (富士見ファンタジア文庫)


高校時代ぼくが好きだった富士見の走馬灯、6月集中刊行、秋田禎信に続く第2弾。仙界から人間界に散らばった欠陥宝貝を回収する元仙人・和穂と情に弱い刀の宝貝・殷雷の旅を描く中華風ファンタジー、完結編の上巻。


次々と紐解かれていく伏線、解決していく謎、そして怒涛の展開。……なのに、ちいとも次で終わるという感触がなくてむしろ疑問は募っていくばかりという気がするのは何故だろう。この人の場合、少なくとも1巻で展開される中においては伏線のばら撒きとその回収をきっちりやることに定評があるので、あれも伏線これも伏線なのか、と伏線と小ネタの区別をどういう風につければいいのか、少々疑心暗鬼になっちゃうんだよなあ。某氏再登場すら何か意味があるのかと勘繰ってしまう。いや冥界の門をくぐろうとしたところで序盤に退場した敵役にご対面、ってよく聞く話ではあるけど……ファンサービス、にしてはあまりに微妙な人選ではあるしなあ……。

まったく、何一つ予想できない、っつーかわかんないよ!!!

どうなるの? ねえ、これいったいどうなっちゃうの!?
終わりどころか、ほんのちょっと先の展開からしてまったく読めないワカンナイ予想も出来ない何もわからない。
予想を斜め上、というどころの話じゃなく、完全に見失った状態。いや、上記したように最初からどこに行くか分かってなかったことを、今さらながら思い知らされたような展開に、もはや茫然自失。

http://blog.livedoor.jp/yamata14/archives/51515308.html


というか、『刃を砕く復讐者(下)』『最後の宝貝』、そしてこの完結編上巻と、新刊が出る度にそれまでの予想がいちいち覆されてる感がありますなあ。面白いからいいんだけど、付き合うほうも大変だ。


32ページの「龍華」に関しては、誤植というかろくごのうっかり説をあえて主張。いやさ、ろくごのお茶目、ということも考えられなくもないんだけど、あの人=龍華?ってこの巻に限らず以前、それこそ初登場のシーンから取りざたされてたことで、それをあのタイミングでああいう形で、ってのがちょっとよく分からないんだよなー。


下巻は、うまくいけば11月までには出るらしい。……出るかもしれない。……出るよね?