隣の家の少女/ジャック・ケッチャム 金子浩:訳/扶桑社ミステリー文庫

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)


なるたる』や『ぼくらの』を形容するのに使われるところのほのぼの、さわやかという言葉が似合いそうな。

苦痛とはなにか、知ってるつもりになっていないだろうか?


この冒頭の問いかけは、読了した後にこそ発せられるべきものだと思う。


劇中で、主人公が加害者たちのことを、彼らは自分とは根本的に違う、野獣だと切り捨てようとする場面がある。実際、彼の視点から見ると一部を除いた数人の加害者たちの所業は、血の通った人間がすることには見えない。でも、全てが終わってから月日が流れ、エピローグで彼は自分自身を加害者たちと同列に置くようなことを言ってる。つまりそういうことなのかなあ。


解説でキングさんがのこの小説を評して短い長編小説だと言ってるけど、文庫にして400ページ超(原書では232ページ)って、そう長くはないけど決して短くもないような。ここらへんは言語が違う文化圏同士の感覚の違いなのかなー。


で、これ実写映画化されるそうですね。すごい時代だ。