ハイブリッドであることこそがライトノベルの面白さ、なのかな

オーフェン』の煽りで「ハイブリッドファンタジー」なる複合語を見る度、一体何がハイブリッドなのかよく分からなくて、ただなんか響きがいい表現を適当につけただけなのかなーと思ってたんだけど、『ゼロの使い魔』が

異世界ハルケギニアに使い魔として召喚されてしまった普通の高校生・平賀才人(サイト)が巻き込まれる「恋」と「冒険」、「ご主人様」と「下僕」のツンデレなハイブリット・ファンタジーロマン。

http://eg.nttpub.co.jp/news/20070531_15.html


と煽られてて、本来の意味が

ハイブリッド
【hybrid】
(1)雑種。
(2)異なったものを混ぜあわせること。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%A5%CF%A5%A4%A5%D6%A5%EA%A5%C3%A5%C9&kind=jn&from=Mozilla/Firefox


ってことを考えると、ああ、なんか「ハイブリッド」って言葉は、ライトノベルの傾向をうまいこと表現してんなあと思った。既存のものを組み合わせて新しいものを、って考え方が。借金取り+魔術士とか、軍隊+ロボット+ドタバタ学園ラブコメとか、キャラクター物+寓話とか、ゴスロリ幼女+安楽椅子探偵とか、ファンタジー+格ゲー+教師物とか。まー完全純血種のSFやミステリーなんてのが存在するのか、と聞かれたら微妙なところだろうし、ジャンル分けなんてそんなもんだとは思うけど、特にラノベはそういうキャッチーさみたいのを重視するよなー。


個々の作品ではなくライトノベル全体についても、この言葉はうまく適用されそう。誰もが完全に納得できるような起源を持たない雑種ではあるし、どちらかというと悪い意味に使われる「ごちゃ混ぜ」というニュアンスも、現状、面白ければ何でもアリ……というのは流石に幻想だと自分は思ってるけど、少なくともこれといった様式を持つジャンルではなく、色々な要素が雑多にひしめき合っている、という傾向に合致するし。


……ま、かなり我田引水なところはあるけど、こういう風に考えると、最初にこの界隈で「ハイブリッド」という単語を使った人は先見の明があったのかな。


ちなみに、google様にお伺いを立ててみたところ、『オーフェン』『レギオス』『マテリアルナイト』がハイブリッドファンタジーで、『クジラのソラ』がハイブリッドSFで、『マルタ・サギーは探偵ですか?』はハイブリッドミステリーらしい。富士見はハイブリッドが好き過ぎるな。あとはなんだろ、ハイブリッドホラーとか、ハイブリッド時代小説とか、ハイブリッド学園ものとか、ハイブリッドラブコメとか、ハイブリッドロボットアクションとか、ハイブリッド戦記物とか?うーん我ながら頭悪い。