魔術士オーフェン無謀編(9) 同情なんていらねぇぜ!/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

同情なんていらねえぜ!―魔術士オーフェン・無謀編〈9〉 (富士見ファンタジア文庫)


どっか遠くへ行っちまえ!(前)(後):ぬるべた腐りジャム野郎ことハウザーさん登場。嘘同盟設立。「ほほう。貴様、妹と関係を持ったと?」「断じて違うわっ!不名誉な!」なんかもうこういうやり取りすらイチャイチャに見えてくる。


迷惑だから消えてくれ!:ラシィ登場。初めてドラゴンマガジンを購入したのがこの回が掲載されてる回だったので、やたら記憶に残ってます。なんでこの号から購入を決意したのかは記憶に残ってません。ってまあこの後2年もしない内に連載終了しちゃったんで、毎月購読してたのって短い期間だったんですけどね。閑話休題。ラシィですけど、オーフェンキャラの中では比較的今で言う萌えキャラっぽい立ち位置だったのではないかと思いますが、いまいち印象は薄かったですね。でも、「狸のスタンピード」とか「蝙蝠のラインダンス」とか呪文は結構好き。


大きなお世話だこの野郎!:霧の湖城。どいつもこいつも人の話を聞かない秋田作品においては覚えておくと便利そう。


同情なんていらねえぜ!:作家という職業は、名乗っちゃえば名乗った人勝ちらしい。こういう楽屋ネタは、結構珍しいですね。なんか『絶望先生』みたいな。でも、いつだったかろくごがあとがきで自由業だとクレジットカードの審査を落とされるとか書いてたので、必ずしも名乗っちゃった人勝ちというわけでもなさそう。いや10年前の話なので(奥付見たら平成9年だった)今はどうなってるのか分からないし、そもそもホントにそれが理由で落とされたかどうかも不明だけど。


袖すりあうも他生の縁:原作1巻でしか登場していないに関わらずアニメではやたら優遇されてたブラックタイガーの誕生秘話。これもティッシの話に次いで好き。なんというか、基本はコメディなんですけど、日常的な、形容し難い鬱屈した気分とかなんとか、そういうの描くのうまい気がする。それに比べると、マリア・フウォンの話とかちょっと説明的過ぎるというか、いやいい話なんだけど。しかし、ハーティアの人格はこの頃既に完成されてたのね。関係ないけど、「小学校の図工の授業で作った意味不明の置物を、天神種族が大事に保管していたからって、不思議がっちゃ可哀相ってもんだよね」なんかこの台詞、結構好き。