超革命的中学生集団/平井和正/角川文庫
『ライトノベルめった斬り!』(asin:4872339045)で大森望がライトノベル第一号認定してた作品。なんですが、
大森望の『超革命的中学生集団』起源説は本気じゃなくて、ただのSF起源説話的冗談のように読めた。
http://kaolu4s.jugem.jp/?eid=137
たとえば大森さんはライトノベルの起源は平井和正の「超革命的中学生集団」だと言っているのですが、そのこと自体は私は超革中とやらを読んだこともないしどうでもいいのですが、その根拠としてライトノベルの条件を満たした最初の本だからと言うことを言っています。
http://myforrest.x0.com/sb/log/eid41.html
しかしいくら現在で言うライトノベルの条件を満たしていても、それが当時の状況の中での単なる突然変異なら意味がありません。
その後のライトノベル形成への流れにどう関与しているか、続く作品や市場にどういう影響を与えたのかと言うことが何よりも重要なのだと思います。
まあ、そんなところかなあと。要素要素を取り出せば納得できなくもないけど、遡ってもせいぜい80年代後半くらいまでで、ソノラマの菊地・夢枕両先生辺りさえどこにどう繋がるのかいまいち分かってなくて、あまつさえ現在の流行路線すら押さえてない程度の乏しい歴史認識しかない人間―――自分のことです―――が起源どうこうという話をしようというのが無理があるわな。
ラストの大仕掛け*1は、強引にラノベ史に関連付けるのなら、『東京忍者』とか『キノの旅』のお遊びに繋がってくのかなー。この作品、他に色んなレーベルで出てるようだけど、あの部分が再現されてるのかどうか気になる。一番最初のサンヤング版とかどうなんだろう。
ただ、ライトノベルの元祖ともいわれている作品が、近年ライトノベル化が著しいと言われている講談社青い鳥文庫でリライト(asin:4061486322)、って状況はなんとなく面白いかもしれず。ああ、さっさとあっち方面にも手を出したい。