一度切った作品に再挑戦すること/自分の過去の記述に縛られる人

日記をつけるってのは、放っておくと際限なく膨れ上がる日々の妄想を外に出力することで、ある程度のところでストップをかける行為だと思ってる。思考を言葉にしようとする過程で、それまで意識もしなかったことを自覚出来るけど、逆に日記の記述に自分が縛られるという危険性も考慮しなきゃならない。結局、自分のサイトを一番多く読むのは自分自身で、それに影響されやすいのも自分自身なんだから、当然っちゃ当然なんだよな。


具体的には、数年前にある小説シリーズの1巻を読んで、不満があった。で、その旨を記載した。数年後、その作品は人気シリーズに成長した。自分の立ち位置的に……というか、ラノベ読みなら読んでおかなきゃいけないというような考えはある(この自分はラノベ読みだって考えが既にこの日記の記述に縛られてる気もするけど)。既に名の知れている作品を、旬を逃した時期に読んでその感想を上げることに、あんまり心理的な抵抗はない。でも、自分は1巻をあまり面白がれなかったという自己規定がどうにも邪魔をする。多分、読んだ時に感じた不満というのはそれほど強固なものではなかったんだろうけど、何度も何度もその記述を目に通す内、意固地になってしまっているというか。他所様が面白いと言えば言うほど、自分の中の反発心が何かと火花を散らしている感じ。この状態でもう一度チャレンジしたとしても、あんまり楽しい読書体験になるとは思えない。


読みたいものは他に山ほどあるし、「縁がなかった」の一言ですっぱり終わらせたいところだけど、結局自分が今の立ち位置でいる限りその作品と向き合う場面は何度もあるわけで、その度にいちいち葛藤してたらきりがない。さっさと何らかのケリをつけたいところだけど、それが3日後のことか3年後のことか、今現在目処は立ってません。