アリフレロ キス・神話・Good by/中村九郎/スーパーダッシュ文庫

アリフレロ―キス・神話・Good by (集英社スーパーダッシュ文庫)


4人の作家が集まって酒を飲んでいたところ、女の子に武器を持たせるなら何がいいか、という話になった。


高橋弥七郎は、ポン刀を持たせた。
ハセガワケイスケは大鎌を、時雨沢恵一はパースエイダー(注・パースエイダーは銃器。この場合は拳銃。)を持たせた。


一方中村九郎は、ブラックジャックを持たせた*1


……こんなことしか書けない、というのは小説に対する敗北宣言であり、作者の人に申し訳ない気持ちでいっぱいなのだけど、実際のところ、『ロクメンダイス、』『黒白キューピッド』より難しいよこれ。と言っても、文章はむしろ分かりやすくなってる、と思う。でも、前2作で、あー観念的だなあー難しいこと考えなくとも感じ取れりゃいいんだなーと理解することを拒んでいた設定周りが、今回は、一応体裁だけは現代異能力バトル物の形を取っているので、それに沿って理解しようとするとちんぷんかんぷん。脳髄が揺すられる。


この文章からあの挿絵を生み出した絵師の人は、皮肉でもなんでもなくすげえなあ。『ROOM NO.1301』とはまた違った意味で、自分の中で文章と挿絵が同じキャラを描いてるものとして認識されなかった。


ただ、これを地雷と切って捨てるのはやっぱり抵抗あるなあ。ガガガ文庫の新作が、万が一ヒットしたりしたらそれはそれで面白いんだけど。なんにしろ、もっと多くの人に読んでほしいとは思う。

*1:メイン?ヒロインの人が持ってるのは斧だけど