24のひとみ/倉島圭

24のひとみ 1 (少年チャンピオン・コミックス)24のひとみ 2 (少年チャンピオン・コミックス)


美人教師のひとみ先生が飄々と嘘をつきまくって人々を煙に巻いていく。単にそれだけなのに、ここまで続けられるのはすごいなあ。ひとみ先生は妙に色っぽい。なんだかとってもシュールでサイケな背景も魅力。とはいえ、2巻まとめて読むとさすがに疲れました……。嘘同盟必読。嘘だが。


スレイヤーズ』のゼロスとか、『Kanon』の秋子さんとか、ベクトルは全く違えど、この手の腹の底が見えないキャラというのは昔から一定の人気があるけど、なんか、みんな妙な色気がありますよね。それは、あけっぴろげなこと=色気がない、隠されていること=色気がある(健康的な色気、なんて言葉もあるし、反例はいくらでも挙げられるけど)ということで、多かれ少なかれ、みんなそういう謎な異性に騙されたい/きれいに受け流されたい、という願望が男女問わず存在するのかもなあ、と思いました。


ひとみ先生の場合、本音が嘘で塗り固められてて見えないところに色気を感じます。だから、ひとみ先生の嘘を何でもほいほい信じてしまい、だからこそ騙されるということがない、まゆみちゃん、という登場人物がいるんですけど、彼女が思うように「騙されなかった」時に思わず出てしまう、ひとみ先生の不満そうな顔(=本音)ってのは、いわば人に見られたくない部分を思わずさらけ出してしまった、ということで、色っぽい、というより妙に可愛いかった。嘘です。