魔獣戦士ルナ・ヴァルガー(1) 誕生/秋津透/角川スニーカー文庫

魔獣戦士ルナ・ヴァルガー〈1〉誕生 (角川文庫―スニーカー文庫)


小さな半島の端に位置するリムズベル公国は、強大な軍事力を持つダンバス帝国に侵略されようとしていた。跳ねっかえりの公国公女であるルナ・ド・リムズベルは、自ら先陣を切って帝国に立ち向かうが、いかんせん多勢に無勢で八方塞。そんな彼女を救ったのは、地下に封印された魔獣だった……。


エロい描写があるライトノベル、というと決まって挙げられるスニーカー黎明期の作品。まあ確かに、かなり堂々と、何の衒いもなくそういうシーンが描かれてるけど、なんか、あっけらかんとしてるよなあ。話の流れ的にどうこう、ではなくて、なんていうのかな……性描写に奔放、というか。時代性、なのかな?この頃は、まだ角川文庫から分家して間もない頃で、こういう小説は子ども向け、という認識が今ほどなかったから、とかなのかしらん。ここら辺については、この人が一家言持ってそう。


よく挙げられる特徴のルビの使い方も興味深かったです。「異世界、異時間、異空間」に「こことはちがう、いつか、どこか」、「大脅威」は「えらいさわぎ」、「侍医」を「やぶいしゃ」と読ませたり。新城カズマ言うところの「若者に読んでもらうための努力」の一つですよね。同じ特徴的なルビのつけ方でも、『星界』シリーズ辺りとは全然目的が違うよなあ。