内部事情暴露とネガティブキャンペーンはネットの華

最近では、漫画家や小説家が編集部とのいざこざをネットで暴露する、ということもままあるようですが、ああいうのって怖いよなあ。何が怖いって、ああいった件で一方の当事者である編集部やなんかが言い分を発表する、ということがほとんどないのが怖い。


知ったかぶりで物を言うけど、多分こういう場合嘘をついたところで作家側にメリットはない。他所の出版社から引く手数多の人気作家とかならともかく、編集部と喧嘩してそこを追い出されたとしても、そんないざこざ起こす人なんて他の出版社も使いたくないだろうし。……んでも、それが作家側の言い分が事実であるという証明になるかというとそうでもなく、人間関係のことだから色々と誤解もあるだろうし、焼けっぱちになって後先考えず編集部の評判を下げようとしてる、という可能性もないわけじゃない。だから一方の言い分だけで満足せず、もう片方の意見も聞きたいんだけど。個人事業主と企業の看板背負ってる社員では立場が色々違うだろうし、非を認めるにしろ反論するにしろ、なかなかリアクションを起こさないんだよなあ。それで、忘れた頃になって掲載雑誌に連載終了のお詫びだけ出る、とかそんなオチ。結果的に作家側の言い分のが正しかったんならそれでいいんだけど、そうじゃない場合、大抵間違った言い分がネットに流れたまま放置されることになる。


だいたい、ある作品が好きなファンの場合、その編集部と作者とどっちに思い入れがあるか、と聞かれた場合、そりゃ作者の方が多いだろうし。結果的に事が丸く収まって、「和解しました」という旨が作者の口から語られたとしても、ファンの心にしばらく出版社に対する疑心暗鬼は残る。それが事実であろうとそうでなかろうと、ネットにそういう話を流された時点で、一度失いかけた評判を取り戻すのは難しい気がする。匿名なら、面白半分でネガティブキャンペーンも出来るし。本当にその件に対して憤ってるか人がどれくらいいるか実際のところは分からなくとも、「そのように」見える、ってのは脅威だよなあ。


つまるところ、こういう件に関して第三者が嘴突っ込むのはアレだなあ、という話に過ぎないのだけど、一方でネットでの内部告発ってのが社会的に徒手空拳の人にとって結構な武器になりうるかもしれない、という側面も否定できなくて。……みんな仲ようせんとあかんよ。