星屑エンプレス(2) きりきりな僕の日常/小林めぐみ/富士見ミステリー文庫

きりきりなぼくの日常―星屑エンプレス〈2〉 (富士見ミステリー文庫)


最近、既刊ばっかりで新刊に手をつけてなくてこれはいかんますます流行に追いてかれる、と一念発起した結果がこれ。流行とはおよそかけ離れてそうなシリーズですが、まあ、復帰祝いも兼ねて、ということで。

ナオシスタ皇女から強引に社交パーティーへと連れ出されてしまった高知。いままで見たこともない豪勢な王族の暮らしと、そこで自然に振る舞う彼女に戸惑い失敗を繰り返してしまう。そんなときある事件が発生し――。


http://www.fujimishobo.co.jp/mystery/search.php?new=1&pcd=200608000012
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_search.php?pcd=200608000012


……という話では、全然なく。まあ、ジャンプの嘘予告みたいなもんで、この手の広告の先走りって昔からあるので、そんな目くじら立てるほどのもんでもないけど、発売してもなお修正されてないのはどうなんだろう、と思わなくもないです。


実際は、訓練校の実習中、友人が巻き込まれた連続殺人事件に、高知とそのご主人様であるナオ様が挑む、というもの。そこに、ナオの皇女としての色んな因縁が絡んでくる。


さすがに面白かったです。この人は、まあ何読んでも大体面白いだろうと私が認識してるラノベ作家の一人で。それだけ突出した代表的なシリーズのでっかい看板を背負ってて、それ以外のイメージがなかなか見えない作家が多い中、これだけ色んなものが書けるというのはそれだけで稀有なことだと思う。こういう人が日々大量に刷られては消費されていくライトノベル業界を支えている、と言ったら言い過ぎだろうけど。


それはともかく、このシリーズのヒロインは、表向きは二十歳であるものの、幼い時の事故で冷凍治療を施されたため実質は10歳の皇女さま。二十歳の彼女を仮想した影武者ロボットと自分との体型差にコンプレックスを持っている、という結構アレな設定なのだけど。それがあざとさに繋がらず、愛らしいと感じてしまうのは女性作家独特の云々、とかそういうやつでしょうか。思い出してみるにこの人は、「駆逐」シリーズでも「下着姿で捨てられてた幼児体型の猫耳少女」とかやってたけど、そそられるものはあんまりなかったなあ。しかし、全くそういう要素を狙ってない筈の「ビール」の主人公(とその旦那)がああも私の胸を掴むのはなんででしょ。やはり旦那へのあふれんばかりの愛が(ry


あと、作者プロフィールの

第2回ファンタジア長編小説大賞で準入選を受賞し、作家デビュー。当時、現役女子高生の受賞ということで話題となったが、その小林めぐみもいよいよ一児の母に。その時、初代担当は感激して涙をながしたとか


に、ちょっと俺も感激しました。プライベートなことなので、あんまり言うのもアレだけど。やっぱり、好きな作家の近況とか気にならないといえば嘘になるわけで。


何が言いたいのかというと、是非「食卓に哺乳瓶を☆子育て編」を。