GUNSLINGER GIRL(7)/相田裕

GUNSLINGER GIRL 7


累計140万部突破。単純に巻数で割ると1冊あたり20万部。こう見ると、電撃系だけに絞れば漫画とラノベのトップクラスのとこの売上ってのはあんま変わんないのかなー。


6巻からペトラとアレッサンドロを中心とした話が続いています。登場人物紹介でも、最初にこの二人が一番大きく写っていることからも分かるように、現在の主役が彼女たちであることは疑いないでしょう。この巻でも色々変化がありました。


まずペトラに引きずられてか、ヘンリエッタたちも等身が高くなってました。義体は肉体的に成長しないって設定、どっかにありましたっけ?「もし成長したらこんな女性になるのかな」「何言ってるんですか、私は義体なのに」という会話がそれに当たるのかな?あー、でも、彼女たちは負傷するたびに部品を継ぎ接ぎしてるわけで、そういう意味では急に外見が変わるってのもありうるのかな。フランケーン


また、ここに来て、初めて「五共和国派」なるものの出自が明らかに。だからといって、読者的に今までより感情移入しやすくなったというわけでもありませんが。それを引き出したのは、新参者のペトラ。どっちかというと、こっちの方が重要なんだと思います。「マリみて」で、それまでリリアン女学園にあまりなかった外部からの視点を、高校受験組の乃梨子さんが持ち込んだようなものか。でも、これは「現場の部品は大局のことなんか考えないの」という台詞に象徴されるような義体の在り方を思うと、色々考えさせられます。作中の義体は、まさに「現場の部品」そのもの。


それと、命令を強制するベリサリオとそれを拒否できなくて苦しむクラエス、という構図が出てきたけど、こういうはっきりと公社の人たちを「嫌な人たち」として描写するのも初めてな気がします。必ずしも従順とは言えないペトラの視点が追加された結果でしょうか。


これらを踏まえて、この作品はどこへ向かってるんでしょうか。読みはじめた時はこんな展開になるとは思いもよらなかったんですが、次巻が楽しみ。

感想リンク

そういう、何かもの凄くプライベートな理想に向かって決して最適とはいえないフィールドで作品を発表し続けるという姿勢が和月伸宏とダブってしまう。


http://d.hatena.ne.jp/kojiy/20060727#p1

彼女の「親切」が勝って状況が打開されるなら、フラテッロの「愛」は何らかの形で負けるんじゃないかと思う。


http://d.hatena.ne.jp/fuldagap/20060728#p1