由麻くん、松葉くずしはまだ早い!/越沼初美/角川文庫

由麻くん、松葉くずしはまだ早い!! (角川文庫―スニーカー文庫)


松本由麻は、17歳の女子高生。恋愛に、勉強に、将来のことに、ぐるぐるぐるぐる翻弄される日々を送っている。


88年発行。まだスニーカー文庫というレーベル名がついてない時代の代物ですね。イラストは美樹本晴彦


……えー、ぶっちゃけタイトル買いです。スニーカーが当時から、青少年の性を喚起してやまない方面でブイブイ言わせてたのは聞いていたけど、このセンスはすげえなあ。これ、スニーカー文庫ってレーベルが創刊されて少年少女向けの路線が確立してからでも出版できたんでしょうか。ここらへんのセンスが「され竜」とかに繋がっていくのかなあ。


過激なタイトルに比して内容はというと、わりと真っ当……かな?や、タイトルから想起されるようなシーンも普通に幾つかあるんですが、特にサービスシーンとして描かれているわけではないように思いました。多分、私があと10歳若ければ興奮したと思うんですが、そういうことでもないような気がするんですよね。今、ライトノベルレーベルで出版されてるそういう系統の小説と比べると、あざとさが足りないというか。ここらへんは作者が女性であることも関係してるような気もしますが、極端に現実離れしてないというか、思春期の女の子を描いていったら自然とそうなった、というだけの気がします。


「〜だヨナ」とか地の文で「BUT」とかフツーに使ってる辺りの言葉遣いに、時代を感じずにはいられませんでした。