怪〜ayakashi〜「化猫」三幕目


視聴率は深夜アニメとしては全放送局中で、過去3年間で最高の数字amazonでは一時とはいえDVD予約ランキング5位。第1話の頃から既に各所で話題になっていましたが、私も例に漏れず楽しく見れました。特徴的なテクスチャを使ったビジュアルもさることながら、演出が面白くて見てて退屈しない。静と動がはっきりしてて、通常の会話してるシーンなんかは2枚の絵が喋ってるキャラに合わせて交互に映されるだけ、みたいな感じ(説明しづらい……)なんだけど、それで緊迫感を高めていって、事態が進展する時になると本当にぱっぱっぱっと目まぐるしくカットが切り替わっていくシーンが展開される。いやあ気持ちいい。また例えがあれで恐縮なんですけど、劇エヴァのDEATH編みたいな。爽快爽快。他にもズームアップとズームバックを多用したり、化け猫から見た視点を入れてみたり、演出色々やって遊んでるなあ。黒地の背景に白い文字だけが挿入されるシーンは、他のところがあまりにエキサイティングだったので大分貧相に見えちゃったけど、それが気にならないくらいの眼福ではありました。


脚本はまあ昔ながらの人情劇というか、それほど特筆すべきところはなかったんだけど、この手の先鋭的な作品にありがちな頭でっかちなところがないのはよかった。主人公の薬売りがゆかな声のおさんどんに怪しげな薬を売りつけるところとか、面白かったですよ。「ごにょごにょごにょ……」「まあ」×3。繰り返しはギャグの基本。


ゆかなと言えば、彼女がああいういい意味で不美人の役をやってたのは新鮮でした。今まで私の中に合ったゆかな像って、フルメタのテッサにしろ、プリキュアのホワイトにしろ、舞-HiMEの真白様にしろ、お嬢様っぽいというか、イメージカラーを挙げるならまさしく「白」だったんですけど、今回は庶民的な、言葉は悪いけどちょっと薄汚いこげ茶色。でも、意外にそれがすごく合ってました。陰からマモルの中原麻衣新谷良子といい、それまでこっちの持っていたイメージを変えさせられることが最近多いです。


なんだかテレビアニメというより、海外の芸術祭なんかに出品される作品を見ているようでした。一部では続編やるとかやらないとか噂もあるけど、どうなんでしょうね。