三国志(6)/吉川英治/吉川英治歴史時代文庫

三国志(6)(吉川英治歴史時代文庫 38)


奸雄・曹操も老いには勝てない。若い頃に彼が忌避していた俗物同様、媚びへつらう者を受け入れ、真の忠臣の具申は拒み、後者を無闇に死に追いやるようになってしまった。逆に玄徳はますます盛んだ。とうとう彼は蜀という国を手に入れ、ここに魏呉蜀の三竦みが完成する。


この巻では、蜀の軍師ホウ(変換できない)統が孔明への嫉妬のあまり判断を誤って死んでしまうんだけど、これは起こるべくして起こったことのように思いました。玄徳は「何事も孔明のよきようにせよ」が多過ぎて、組織としてはひどく歪に見えます。あれじゃ嫉妬も買いますよ。オーベルシュタイン先生のNO.2不要論に真っ向から対立する存在じゃなかろうか。