「BASTARD!!」の立ち位置

megyumi2005-11-18


今週のマガジンで、久々に「神to戦国生徒会」を読みました。主人公が二重人格で、その内一方は黒髪で内気、もう一方は銀髪でエロエロで唯我独尊的性格なんだけど、唯一長年一緒に育ってきた幼馴染には頭が上がらないって、それどこの初期「BASTARD!!」?そういえばあかほりさとる萩原一至って、今は懐かしい「ガードレス」で一緒に仕事してましたねえ。量産作家と遅筆作家。仕事向きは正反対だけど、性格的には似たもの同士ってことですごい仲いいか同属嫌悪でその逆か、どっちかだろうなあ……。といったところで、「BASTARD!!」のお話。



少年漫画には昔から、「お色気漫画」というのがあります。萌え漫画や恋愛漫画との境界線が曖昧ですが、そこらへんの線引きはまた別の機会に。まあ「てんで性悪キューピッド」や最近では「いちご100%」、ガンガン系では河内和泉の「機工魔術士」なんかを例と挙げても、そんな反論を覚える人はいないのではないかなーと*1。まあ、多分。


んで、そういう漫画って、大抵の読者がいつかは卒業していくジャンルだと思うんですよ。思春期向けに作ってるんだから当然でしょうけど、つまりエロい描写だけならもっと直接的なものを求めて、AVなりなんなりに流れていくわけです*2


バスタはファンタジー魔法バトル漫画でありながら、お色気漫画としてもかなり強烈な作品でありました。「ドラゴンボール」や「ダイの大冒険」は別にいいけど、これを読む時は親の目から隠れてこそこそ読んでいたのは私だけじゃない……はず。その、隠れて読むのがまたドキドキしたんですけど。


翻ってみるに、現在のバスタはどうでしょうか。15年以上やってる長期連載(実際に連載してる期間が短くとも)なんだし、元々本人の作風が他の作品に影響されやすいので、絵柄の変化はあるでしょう。年を食った読者が昔を美化しているというのもあるでしょう。にしても、現在のより過激になった作風にはちっとも色気を感じないんですよ。確かに昔から作者のやりたい放題し放題なところは変わらないですけど、まだどこかで誰かが制約をかけてた。読者が直接的な描写を求めて、いつまでも寸止めのお色気漫画に見切りをつけるんじゃなくて、読者は昔のままを求めてるのに、作者が直接的な描写を追求していき、結果読者が離れていく。作者が結婚したり、掲載誌が次々移ったり、長期連載だからこそ色々あったバスタならではの現象だという気がします。長期連載、奇乳というキーワードだけ見ると「こち亀」もそうですが、あっちは別にお色気漫画じゃないですしね。


いつまでも変わらないお色気を提供し続けるあかほりさとると、古参読者に望まれない進化をしたお色気を提供する萩原一至。読者としてはどっちが幸せなんでしょうかね。

*1:私は「オヤマ!菊之助」や「いけないルナ先生」も好きなんですけど、これらはバカ漫画としての側面も強いので一応除外

*2:ふと思ったけど、卒業していくのがお色気漫画、キャラが好きで卒業しないのが萌え漫画なのかもしれない