よつばと!(4)/あずまきよひこ
もう何度も読み返しています。日常の細部まで見逃さない観察力と、それを余すところなく平面上に立体的に描き出す画力と、あずまきよひこ独特の言語センスが結実したこの漫画も、もう4冊目。と、それらしい美辞麗句で飾ってみましたが、いい加減褒め言葉にも困るようになってきました。その一方で、自分がこの漫画のどこが好きで何度も読み返しているのかは分からないまま。音楽みたいなもんで、話のリズムが自分に合っているのかもしれない。細部までしっかり描いているおかげで、読む度新しい発見があるからかもしれない。でも、もうちょっと別の何かがあるような気もする。……作品の面白さを必ずしも言葉で説明できるわけないし、またそんなこと誰も私に望んでいないんでしょうが、まあそこは趣味ということでご勘弁ください。
4巻に限って言えば、「釣り」「せいしゅん」の回が特に面白かった。「釣り」の回は、その前から続くジャンボとランボルギーニみうら、恵那のやりとりが微笑ましい。虫とか魚が苦手なみうらとは対照的に、生きてる魚をさばくのにも積極的に挑戦する恵那。「すげー、恵那すげー」「恐れを知らねぇー、今時の子供か?」「バーチャル世代だ、ゲーム感覚だな」。そうだよなー、生きてる魚をさばくなんて、相手のことを考えたら出来ないよな。だってナイフで刺したら死ぬんだよ?これはきっとゲーム脳に違いない(笑)。「せいしゅん」は、風香が失恋する話なんだけど、相手の名前も顔も具体的なものは何一つ出てこないで、本人からの伝聞だけで話が進むってのがこの作品らしいです。
4巻ではツクツクボウシが鳴いています。公式によると作中の時間はお盆が終わってから24日くらいまでの一週間とのこと。夏休みものこりあと1週間。時間は緩やかに流れていっています。以前、「夏が終わっても漫画が終わるわけではないので(^_^;)、 まだまだ先は長い作品ですが、ゆっくりとお楽しみください。 」という公式アナウンスがありました。作中では最初から今までずっと夏が続いていたこともあり、私自身、秋の訪れを受け入れられるか不安だったんですが、この分なら案外あっさりといきそうです。……ただ、どうしてもよつばが学校に通う姿というのは想像できません。
だって、学校って我を殺してでも社会の中で生きてくことを教えるところじゃないですか。よつばの行動は正直、父親やお隣さん相手だから許されてるところもあって、学校に行ってもはたして「よつばは無敵」でいられるのか、というのは少々心配です。
そういえば、「勝負」でよつばととーちゃんがやってた遊び、なんていうか知ってる人いますか?