食前絶後!!/ろくごまるに/富士見ファンタジア文庫

「封仙娘娘追宝録」続刊発売を記念して、6〜7年ぶりくらいに再読。あっちの方は公式に発売がアナウンスされてから読むことにしよう。高校生の北浜雄一は、幼馴染の徳湖によって、「調味魔導」なるものを巡る戦いに巻き込まれてしまう。第4回ファンタジア長編小説大賞審査員特別賞受賞作……である「喪中の戦士」を元にしたろくごまるにのデビュー作。「喪中の戦士」自体は未刊行。

アクの強いキャラ、奇抜な設定、一見おかしいけど軽妙で読み易い文章。富士見出身だと、デビュー作で個性的なものを書いても2作目は(恐らく編集者の指導によって)よく言えば万人向けの、悪く言えば画一的な角を削ったものになってしまっている、ってのは私が以前からずーっとぶーたれてることではあるんですが、この人は基本的なところは変わらないので安心。奇抜な設定をそれだけで終わらせるだけでなく、独自の理論でちゃんと足固めしてるところも変わらない。中盤までおちゃらけたノリだったのが終盤急にシリアスになったのには戸惑ったんだけど、これはそういう味なのか構成の問題なのか。どうなんでしょうね。

現在絶版なので、復刊.comにリンク張っときますね。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=15216