マリア様がみてる 薔薇のミルフィーユ/今野緒雪/コバルト文庫

マリア様がみてる 21 薔薇のミルフィーユ (コバルト文庫)


紅、白、黄、それぞれの短編を収録。


黄薔薇パニック」は、令ちゃんのお見合いを由乃さんと新キャラの有馬さんが阻止しようとする。今回、一番面白かったよ。やっぱり、有馬さんの力ですかね。前巻ラストでは再会までにワンクッションあるかなーと思ってたけど、思い立ったら即行動の由乃さん、フットワークの軽さは流石。そしてその由乃さんがぐいぐい引っ張られてく様は新鮮で見てて楽しい。有馬さんのキャラは凸様と被ってるのは作者も意識してるとこなんでしょう。「山百合会を引っかき回して欲しい」という私の願いはどうなるか分からないけど、まだ期待しててよさそう。つーか次回は黄薔薇だけで一本長編書いて下さい今野先生。

暴走機関車は牽引されてました。

2005-06-29より


この表現にちょっと笑ってしまった。うまいなー。


白薔薇の物思い」。白薔薇姉妹が最近背景と化してきている現状を憂う。冗談のようで本当にそんな粗筋。何故か、志摩子さんの兄が登場……兄!?その唐突さに某所ではひどい叩かれっぷり。まあ、この兄が志摩子さんの家庭問題に関わってきたりするんならいいんだけど、でも、やっぱり後付け感は拭えないよなあ……同人作家の皆さんは設定修正お疲れ様。そして哄笑する志摩子さん。「ふふふははは」って。「ふははは」だけ抜き出したらえらく悪役くさいよ志摩子さん。


紅薔薇のため息」。紅薔薇姉妹2人で遊園地デート。ここに来て妹問題完全スルー、今になって延び延びになっていた約束を果たそうとしたり、「祐巳とはこれっきりというわけじゃないのだもの」などと思わせぶりな発言をする祥子さま、柏木の不審な言動、漠然とした不安を抱える祐巳。なんか、妹作らずに祥子さまの家庭問題解決して終わりそうな雰囲気が……つーかこっちに関してはもう妹とかいいや。


あと、あとがきのアレ。触れるか否か迷ったけど。

そうそう。彼女達が行った場所がどこだか推理して、自分も行ってみようと思ったよい子の皆さん。時間と交通費の無駄ですのでやめましょうね。

この文章から悪意を感じてしまうのは穿った見方でしょうか?なんだか、以前も作中の時間と実際のカレンダーを示し合わせるようなことはやめて下さい、みたいなことを書いてたと思うけど、うーん……