AIR#11「うみ〜sea〜」

観鈴が記憶を失う⇒晴子さん、観鈴と本当の親子になろうと四苦八苦する⇒啓介という邪魔者の介入⇒晴子さん、更に四苦八苦⇒「ママー!」。今までの話の積み重ねから来てる感情もあるんだけど、単一のエピソードとして抜き出してもTVシリーズ中一番まとまっていました。親子の話であるAIRの真骨頂。


「おばさん」と呼ばれた晴子さんの観鈴への愛情の一方方向っぷりは泣けた。一歩引いてみると、この辺の晴子さんの観鈴への接し方ってのはともすると自己満足にしか見えない時がある。本人は観鈴のことを想ってやっているつもりでも、一人で家の中でトランプをしていたいという観鈴を海に連れて行こうとし、嫌がられた挙句「もういい!」と放置してしまう事件は、観鈴に綺麗なものを見せてやりたいって感情よりは、明らかに自分のことを見てほしいっていうエゴイスティックな感情が勝っている。そりゃ某キャラも「私はパンを焼いてあげました。 だからあなたも私にパンを焼いてください」(これはまあ、偽善的な言葉で色んなドロドロした感情を隠そうとしてるのを嘲笑してる台詞なのかも知れないけど)とか言い放ちたくなりますよ。でも、やっぱりそれは人間として自然な感情で、だから、ちょっとしたことで尊敬(?)の念を覚えるという実に子供っぽい「セミ獲りおばさん」の一件で報われたところは、くるものがありました。勿論、観鈴の我が侭に振り回されてる晴子さんから、子育ての大変さとかを見て取ることも出来るんだけど。


ラストの海のシーンは本当によかったなあ。原作初めてやった時は、あそこで終わってもいいと思ったくらい。