思春期のオタクが背伸びするための小説―ライトノベルの読者年齢―

http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050318#stretchingitem


・いろいろな背伸びアイテム
http://d.hatena.ne.jp/kanose/20050319#senobi


ネットをみんなやるようになると、こういう「背伸び」ってなくなっちゃうのかなあ、と心配になる。この手のものって時間が経って成長したからどうこうっていうよりは、基本的に狭い世界の中で同年代の人間と付き合ってるからこそ、成立するものだと思うんですよ。実際、私は大学に入るまでオタク趣味を持った人間ってものが殆どいなくて、自分の趣味を顧るってことがあまりありませんでした。大学に入って、ネットに繋ぐようになって、比較的広い世代の人の話を聞くようになって、「ああ、俺はあの作品を面白いと思ってるけどこういう考えの人もいるんだな」ってのがようやく実感として出てきたんです。でも、ネットって基本的に年齢関係なく、一つの空間にぽいっと放り込まれるわけじゃないですか。「キノの旅」に何の疑問もなくハマっている女子小学生がいたとして、彼女はこういう意見を見て、「ああ、自分の趣味って背伸びしてるように見えちゃうのかなあ」と思っちゃうわけです。まーそれぐらいなら成長が早かったってだけで別にいいんですが、そもそもそういう「背伸び」を覚えない内からネットで情報を得てて、「この作品は背伸びアイテム」と決めつけて最初から見向きもせず、「世間」的に評価されてる作品ばかり相手にするようになるとしたら……。自分が恥ずかしい過去満載なんで、相手にもそういうものを求めたがる(表にはそれを出さないにしても)、私みたいな自分勝手な人間としては、ちょっと怖いなあと。


だからこういう、この年代の人間はこういう傾向の作品を好む、みたいなレッテル貼りはたとえ事実であったとしても表に出すのはあんまり好きじゃないです。自分の経験として「俺もあの頃は若かったなあ……」みたいな感じで語るのは可。


というのは、未だに私自身が「背伸びアイテム」に嵌ってる私の言い訳に過ぎないのかもしれない。