ザ・サードⅦ 死すべき神々の荒野(ゲヘナ)(下)/星野亮/富士見ファンタジア文庫

ザ・サード7 死すべき神々の荒野(下) (富士見ファンタジア文庫)
上巻の出来からどうなるか不安だったけど、結構盛り上がりましたね。中盤の静かな緊迫感溢れるパイフウVSスカーレット、一転して派手なパイフウVSヌルは見物。最大の見物は、パイフウとスカーレットのお色気シーンだったりするんですが。やっぱりラノベにはあれくらいのギリギリの色気がちょうどいいよ。
けど、まだ物足りない。変に話を広げず、もっとパイフウ自身に暴れてほしかった。火乃香が出張ってくるのはいいんだけど、最後の決着までつけちゃうってのはなあ……作者曰く今回は人と人との繋がりを書きたかったそうで、色々話がとっ散らかってるのはそれが原因なんだろう。とすると、これを焦点がよく分からないとするのは「東京ゴッドファザーズ」の、一つ一つの話が薄いというようなものかもしれないとも思ったけど、それとこれとは別だよなあ。今回は、まずパイフウとハデスの話だったんだし。あれだけ引っ張った割にハデスの正体が驚くようなものでもなかったことにもやや拍子抜けしたけど、元々種明かしや謎解きを楽しむような作家ではないので、そこら辺はまあいいや。
なんだかんだ言ってきたけど、一番気になったのはイラスト。いくらなんでも、上下巻でキャラの顔がまるで違うってのは……そら作者もあとがきで皮肉の一つも言いたくなるわ。
毎度毎度なかなか香ばしいあとがきも慣れることはないけど、子の話はまた後日。
あ、そうそう。はてなキーワード星野亮がなかったので作りました。キーワード初めて作ったよ。主観と客観の境界の見定めがポイント。