マリア様がみてる インライブラリー/今野緒雪/コバルト文庫

マリア様がみてる 19 イン ライブラリ (コバルト文庫)
本にまつわる短篇集。短篇集なので当然妹問題に関しては進展ありません。それを抜きにすれば最近のシリーズの中では結構面白かったです。
「静かなる夜のまぼろし」。キャンサーのデスマスクの人の話。必殺技は「積尸気冥界波」。ぴぎゃあ。暗闇の中でマッチを擦り続ける光景を想像すると、とても綺麗。初登場の時も颯爽としていてマリみての登場人物一芯が強いと思っていた彼女にもあんな一面が、という話でした。
ジョアナ」。文化祭補完。ツンツンツンツンツンデレ。7ページは短すぎです。
「チョコレートコート」。感想を見て回ったところ、この話が一番人気でした。不倫話?スール制の裏ではこういうこともたくさんあったんだろうなあ。「イベントというものは、どうしても姉妹単位で行動することが多いから」。その割に姉妹を作ることって義務ではないんですよね?んー、なんかあの制度が悪に思えてきた。独り者の憂鬱。17Pでは前例に息苦しさらしきものを感じてる祐巳もいて、ウエダハジメの同人じゃないけどなんだか本当にリリアン内で革命でも起こりそうな雰囲気。
桜組伝説」。短編内ショートショート。「桜の中の魔」が一番好きかなあ。どっかで聞いたような話ではあるけど。
「図書館の本」。「おめでたそうで良い名前」でなんか引っかかるものはあったんだけど、気付きませんでした。「ファンの強みはね、いつでも別のスターに鞍替えできるという点なの。姉妹だとそうはいかないわ」。なんだか「チョコレートコート」と対比になってるようななってないような。多分大多数の生徒はこんな感じなんだろうなあ。
「インライブラリー」。かなり強引のような。そんな無理して串刺しにすることもなかったと思うんだけど。

総括すると、祐巳の妹問題という一大事を前に色んな姉妹の形を見せたというような感じでした。