憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ/水口敬文/角川スニーカー文庫

憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ (角川スニーカー文庫)
第9回スニーカー大賞奨励賞受賞作。同時に受賞した3作の中では最も評判がいい。まず思ったのは終盤ではやや改善されてたけど、序盤の文章がアマチュアくさいというか、ぶっちゃけて言うと私が創作してた時に書いてた文章と同じ臭いを感じる。榊一郎を初めて読んだ時にもエヴァオタとしての作者にすごいシンパシーを感じてしまったけど、その作者がそれまで読んできたもの、見てきたものが作品の向こうに透けて見えるというのはなんとも。勿論これは全く一方的な思い込み、勘違いであるかもしれないけど、作者が大学を卒業して半年、と言ってることから年齢的にもそう的外れなものではないかと。大抵の場合、人は自分の持っていないものに憧れるもので、こういう共感は決してプラスに働くことは多くないんだけど、榊一郎の場合「ストレイトジャケット」でここまでやってくれると同じ趣向を持つ者として脱帽です、というものを見せてくれました。この作者もはたしてそうなってくれるのか。


なんか全然感想書いてないけど、まあ微妙でした。設定的にも粗が目立つし、先の展開も読みやすいです。主人公とヒロイン以外のクラスメイトの友情なんかをもうちょっと描写してくれれば個人的には嬉しかったかもしれません。