推定少女/桜庭一樹/ファミ通文庫

推定少女 (ファミ通文庫)


最近人気急上昇中の作家。同作者の「赤×ピンク」を読んだところ結構波長が合って、この作品も同系統で結構評判らしいので買ってみました。「GOSICK」は未読。


「赤×ピンク」で私が惹かれたのはラノベらしからぬ繊細(?)な心理描写だったんですけど、こっちはそこら辺は多少控え目で、代わりに「銃を握ったままダストシュートで眠る裸の美少女」といったいかにもラノベっぽい要素が結構前面に出て、色々展開も動かそうとしてる感じ。その点とっつきやすくなってるので、「赤×ピンク」がダメだった人も大丈夫だと思います。つうか初っ端から警察に追われてるボクっ子ってどこの鍵ゲーですか。話的に、滝本竜彦「ネガティブハッピー・チェーンソーエッジ」とも似てる……かなー?でもまあそこらへんは背景で、やりたいことが女の子の心理描写ってのは変わっておらず。ただ、今回は思春期ってのが多少鼻につく感じも。出てくる大人が全部敵という辺りとか。一連の「セカイ系」作品に感じるアレっぽさというか。なんでだろう、一人称のせいで主人公の感情がストレートに表現され過ぎてるせいか。作品中にも出てくる「子供の気持ちを分かったつもりでいる自称子供の代弁者」そのもののような……あーでもこれは、主人公カナと作者を私が同一に錯覚してしまってるせいかもしれない。そこら辺現役の中高生の意見とかも聞いてみたいなあ。


うん、でもやっぱりこの人の作品の空気は好きです。オススメ。