ブレードランナー

ブレードランナー 最終版 [DVD]
SF映画の古典にして押井版「攻殻機動隊」とよく比較されることの多い作品。どっかの「原作に忠実なSF映画」ランキングのトップを取ってた。
オリエンタルな街並みとか地上を睥睨するように上空をゆっくりと舞う巨大飛行物体とか、私もご多分に漏れず「攻殻」といちいち比較しながら見ずにはいられませんでした。私は「攻殻」よりこっちのが好きかなー。4年という寿命を知って逃亡したレプリカント=アンドロイドのカップル2人の悲哀とか、こっちのがより直接的で分かり易いというか胸に迫ってくるというか。勿論それは性質の違いに過ぎないのだけど、「攻殻」は色々考えさせられた割には後が残るものがないというか。単純に実写とアニメの違いかもしれない。「攻殻」の絵のいかにもデジタルというか無機的というか、そういうのはわざとやってるのかもしれんけど、泥を被りゴミに突っ込んで汚れる登場人物の方が生々しいのは確か。未来都市の雑多っぷりも、こっちのが伝わってくるような気がした。上空のライトで絶えず光と影が入れ替わる演出も好きでした。
ただ気になったのはヒロインの存在意義と、主人公が腕利きの殺し屋という触れ込みなのにやたらかっこ悪いところか。後者はまあそういう役回りなのかも知れんけど……原作でそこらへん補完できるのかなあ。そういや最後の終わり方も、「ネットは広大だわ」っつってマトッリクスの彼方だか裂け目だかに旅立った「攻殻」と対比できますね。