「ひらきもり」のすすめ デジタル時代の仕事論/渡辺浩弐/講談社現代新書

「ひらきこもり」のすすめ―デジタル時代の仕事論 (講談社現代新書)


このデジタル時代、企業に就職して組織の歯車になるよりも何でも個人で出来るネットで自己表現しよう、一番好きなことをやろう、という本。作者はポジティブ且つアクティブなひきこもり、みたいな意味で「ひらきこもり」という造語を作ったのだと思われる。
大学4年生が読むには少々危なっかしい内容。

この本では現実の組織の嫌なところばかりクローズアップされてるけど、組織に所属することで得られる安心感、みたいのについてはどう考えてるんだろう。それに、ネットを媒体にして働くからといって人間関係のしがらみなんてものはなくならないと思います。そりゃあ実際に会うのと会わないので印象が違う、というのはよく聞く話ではあるけれども、基本的にマメであればリアルだろうがネットだろうがそれなりにやっていけると思うのですよ……まあ私なんかはそれができないから人間関係の構築がうまくできないのですがOTL

共感できたのはカメラ付き携帯電話やデジカメ、プリクラ、blogなどのツールによって誰もが表現者になりうる。そしてそれによって自分を客観的に見つめることが出来、自己改革が容易になる、という点でした。

他に「音ゲーは演奏する楽しみを復活させたという意味で音楽を先祖返りさせた。今後こういうものをきっかけにして才能を開花させる人間が出てくる」みたいなことも書いてあるんだけど、それはどうかなあ……カラオケとかもそうだけど、所詮ゲームはゲーム。疑似体験の域を出ないかと。でも、疑似体験は疑似体験なりの楽しさがあるわけで。だから私も一向にレベルが上がらないけど未だに続けてられると思うんですよね。

とまあなんか否定的なことばかり言ってしまいましたが、結構ネット社会に関して面白いことも書いてるのでサイト持ちの方は一度読んでみてはいかがでしょうか。結構有名みたいだけど。