悪魔のミカタ 魔法カメラ/うえお久光/電撃文庫

悪魔のミカタ―魔法カメラ (電撃文庫)


2年とちょっとで13冊というライトノベルにしてもかなり早い刊行ペースを保ってる故に、人気はあるけど手を出しづらかった作品。2ch見てると、この人と成田良悟が電撃の新世代を担っていってるのかなーと。


設定が穴だらけなのはミステリとしてに限らないんだけどまあそれは置いとくとして、主人公達の行動の動機がいまいちよく分からなくてついていけなくなることが多かった。日奈が探偵もどきのことをやり始めた経緯とか。悪魔の力の誘惑云々を言い出すのもなんか唐突だし。みんな変人過ぎてあっさり状況に適応しすぎてるというか。「悪魔やら翼やらはそこはそれ現代ゲームっ子、それなりに許容できるが」でいいのか?神坂一の「日帰りクエスト」はそこらへんのお約束をギャグにした作品だったけど……。日常の中に非日常が入り込んできたって感じがまるでしない。最初の全校集会での殺人事件とか、警察側の視点を描けばまだ少しは違ったのかもしれないけど……無駄にキャラを増やすぐらいならそこらへんの描写をちゃんとしてほしかったなあ。
とはいえ、そこらへんのアラは読者も分かってる節があるので、次も読んでみようかと思います。正直、言われてるほどの勢いは感じなかったんだけど「自分の首を三六〇度回転させてみたら……」とか結構好みの言い回しも見つけましたし。