目覚めた絵描きを解き放て。電撃文庫


先日ラノベにおけるイラストレーター交代劇という文章を書いたんだけど、ある意味その逆の話。

そういえば、シリーズ一本書ききる時に若干寂しく思うのは、「もうこの人と組めないのか」と思う事。絶対不可能、ではないにしても、シリーズで組んだ絵師さんは、印象強い分、新作では編集さんが組ませたがらないのね。

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上記の通り、ライトノベル業界においてひとつのシリーズを終わらせた作家が次回作で同じイラストレーターと組むことは、まあ特筆するほど少なくはないにせよ、そんなに多くはない。と思う。ではこの業界の外ではどうかというと、不勉強ながらよく知らない、というのが正直なところなんだけど。ことライトノベルにおいてはシリーズ物がメインで人気が出ればすぐに巻数が二桁に及んでしまう、という辺りも榊先生の言うような傾向に拍車をかけているのかなーと思ってる。


でも、電撃文庫(とMW文庫)はそういった意識をあまり持っていないように見える。


まず、キャリアも10年を超え、電撃文庫を代表する作家であるこの二人は、少なくとも単行本化された作品において他のイラストレーターと組んだことはない。上遠野浩平は全ての作品がリンクしているから、という理由もあるかもしれないけど。時雨沢黒星コンビは、いつだったか「時雨沢恵一黒星紅白コンビ、○○万部!」みたいな感じで部数を発表したことがあって、AMWもブランドとして意識してるのかなーと思った。


一部作品で組んだコンビはこんなところ。並行してやっている場合もひとつのシリーズ完結後に再結成された場合も、一作目に組んで二作目は違う人と組んで三作目に再会、というパターンも含む。ただし原作つき及びタイトルから明らかに前作の続編だと分かるもの(新〜とか〜2とか)は除く。


なお、自分としては「シャナ」を完結させた高橋弥七郎が次回作でいとうのいぢと組むかが気になります。


それで、他のレーベルなんだけど、意外なことに、電撃ほど多くはなくとも結構複数作品組んでるコンビがいて驚いた。全部挙げるのはちょっと面倒なのでやらないけど、目についたところだと


辺り。特に今ほどシリーズ物志向が強くなかった頃のソノラマ・コバルト・スニーカーで、1巻完結物を得意とする作家なんかは、結構続けて同じイラストレーターと組んでる確率が高い気がする。当時は作家もイラストレーターもレーベルもそれほど多くないから、選択肢が少なかったってのもあるか。自分の中で電撃が印象に残ったのは、特に人気作品を手がけたコンビが多かったから?


個人的な感触で言うと、同じコンビで続けて、というのはあんまり好きくないです。だってつまんないじょん。せっかくの新作なのに、作家もイラストレーターもたくさんいるのに、人員固定されてることが多いエロゲメーカーでもないのに、また同じコンビって。


ただ電撃に限って言うと、そういう傾向があるにしても、同じコンビを続ける可能性も閉ざしはしないよ、というくらいで、別に売れたら必ず次も同じコンビで、という感じでもないので、個々の組み合わせはともかく、レーベルの方向性としてはあえて否定的になることもないのかなー。ファン心理的にも、このコンビの新作をまた見てみたい!っていうのはあるだろうし。「小学星」餅月望と黒田bbが再タッグを組むという「ヒロイック・リトル・シスターズ (仮)」、これから楽しみです。


と、記事タイトルをひっくりかえす結論が出たところで、〆。お粗末。