泳ぎません。/比嘉智康/MF文庫J

泳ぎません。 (MF文庫J)

泳ぎません。 (MF文庫J)


ギャルゴ!!!!!!」「神明解ろーどぐらす」と(顔じゃなくて言動が)IKEMEN主人公が活躍するハーレム物を書いてきた作者の三作目は、なんと女性主人公。基本的には主人公含めた水泳部の女子三人による、プールでの休憩中の駄弁りとその場その場で思いつくミニゲームがメインの日常物。


……なんだけど、途中からとある男子が登場してからは少しずつ様子が変わってきた?それぞれ男子を嫌ってたりアウトオブ眼中だったりモルモットかなんかくらいにしか見てなかったりするメインの女子3人が比嘉先生お得意のIKEMEN男子に惚れていく、とゆー話をハーレムを構成している女の子側から描写していくのかしらん。大昔の「聖エルザクルセイダーズ」とかも女の集団に男が「入ってくる」(入っていくじゃなくて)話だったけど、あれをもっと推し進めた感じに。言わば「逆・ハーレムもの」(どやっ。


聖エルザクルセイダーズ集結! (角川文庫―スニーカー文庫)

聖エルザクルセイダーズ集結! (角川文庫―スニーカー文庫)


男子の名字が「神」なのはギャルゴことギャルゲーゴッドとの対比?いや、でも、神くんはかっこいいというのは読者の間で概ね共通する見解のようだけど、この巻では一切内面描写がないから、自分にはちょっと得体の知れない風に見えちゃったんだよなー。実は神くんが「ギャルゴ!!!!!」における○○ポジションだったとしてもなんも驚かないぜ。


あと、まあ、「逆・ハーレム物」ってそれなりに斬新ではあるけど、はたして読んでて楽しいのか、という……。あれだけクレバーにハーレム物を書いてきた比嘉先生のこと、ハーレム物の男主人公と読者の適切な距離については理解していると思うんだけど……。


表紙は見ての通り制服だけど、口絵はみんなの期待通りの差分CG的なアレ。帯に「だがスク水。」ってアオリが打たれてるんだけど、これはサブタイに採用してもよかったんじゃなイカ。しかし比嘉先生は新作を出すたびにtkb券を使用するなー。