魔術士オーフェン新シリーズ小冊子02/秋田禎信/TOブックス


前回色々あって配布書店は半分くらいになってしまったけど、小冊子第2弾を18日無事にゲット。「青い花」新刊(まだ買ってなかった)を一緒に買った。この無料ゆえに生じる「あわせて買う」で秋田信者の動向探ると面白い結果がでないかな。某所では乙嫁語りがやたら人気だったけど。


今回は、魔術学校校長としてのオーフェンの一日が描かれている。まだ横で寝ている嫁より早い起床。娘たちとのジョギング。無数の書類との格闘、予算会議、新秘書の面接、ボロい物置の修繕(魔王の日曜大工趣味は健在だった!手作りの傾いた小屋ってベスポルトの作ったフリウの家を思い出す)……。トトカンタで借金取りを名乗っていた頃からは想像できない勤勉ぶり。そしてその描写が、ネタだけ見るとそんな突飛なものでもないのにいちいち面白い。30巻以上かけてキャラを立てたあのオーフェンだから、ってのもあるんだろうけど、それ以上に、秋田の文章の錬度が尋常じゃないことになっている気がする。

起きればすぐに意識は冴えてくるが、トイレに行きたいとしてもすぐに毛布から出ようという気にはならない。どうしようかもぞもぞ迷っていると、妻に後ろ足で腿を蹴られることになるので、その前に仕方なくベッドから降りる。もどってきてから仕返しに、洗った後の手で妻の首を掴んでやることもある。

約二十年、いくらか平和に夫婦を続けるためには誠意と愛情だけではなく、多少の工夫も必要となる―――と、魔王は思う。話したくとも話さない時には話さずに済むよう、妻の手を借りずとも一日くらいは生活できるように家のことは知っておく。あと、クロゼットの戸は開けても音がしないように手入れしておく。妻は本当に眠っているかもしれないから。


一方、後半のアクションシーンはハッタリバトル分が薄くてやや物足りない。今回はそんな燃えるシチュエーションじゃなかったってのもあるんだろうけど。神人種族と魔王術、がバトルのメインになっちゃうとやや大味になっちゃいはしないか、新シリーズがちょっと心配。あ、そういえば重力制御を攻撃に使ったの初めてじゃね。


ちなみにこの小冊子は第3弾まで出る模様。マジク→オーフェンと来てるから次は嫁主役だろうか。今回も直接名前が出てこなかったし、新シリーズでもそうなるのかな、という気もしてるんだけど……?

  • まさかハイドラントが悪霊となって敵として立ちふさがるとは。
  • 父親のそばに美人が寄ってきた時の娘三人の反応に性格が出てるなー。ラッツかわいいのに。
  • ぽきり。がぶり。そして!ボスの鎖骨を―――!
  • 魔王の愛人はサルア市長説が濃厚の模様。「キエサルヒマの終端」でも人生相談してたし、何かと相談に乗ってもらってそう……でもなんか最近避けてるようなことも言ってたなー。あといつまでも独身の弟子も鉄板。資本関係のあるドギーなんかも疑われてそう。あの夫馬鹿っぷりが知れ渡ってなければ。
  • 巻末に「誰しもそうだけど、俺たちは就職しないとならない」好評発売中ってあったけど新刊在庫ほとんどないじゃないですかーやだー
  • 今回小冊子配布がファンタジア文庫発売日とほぼ同じなので、ネタバレスレを見てるとまるでオーフェン新刊がファンタジア文庫で出てるような気分を味わえる……ということは別になかった