幻の少女小説レーベル「宮廷社コスモス文庫」を知っていますか
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/04/27
- メディア: 文庫
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……まあ、「マリみて」に出てくる架空の少女小説レーベルなんで、幻なのは当たり前なんだけど。
最近映画の影響で読み返してて、これ、本筋とはほとんど関係ないのに(表紙イラストがない→どの本か分からない、というのが推理小説仕立ての構成の歯車のひとつにはなってるけど)やたらディティールが凝ってて面白かった。どっかにモデルとかあるのかな。イメージとしては外観は教養系の新書みたいな感じだろうか。
蔦子さんの言葉をすべて並べると長くなるので、要約すると、つまりコスモス文庫は大人が読める少女小説を目指している、というのだ。もしくは、大人びた少女の味方をする文庫、とか。
通勤通学それから休み時間など、人前で読書する人は結構多い。しかし、自分が何を読んでいるかはあまり知られたくないものだ。
普通の文庫本なら、チラリと見られたくらいじゃ本のタイトルまでは判別できない。けれど少女小説の場合は、一ページまるまる使ったイラストが時々現れてしまう。イラストで何がわかる、ということはあるが、少なくとも少女小説であることはわかってしまうし、出てきたイラストが男同士のラブシーンだったりしたら、やっぱりあまり都合のいいものではない。
そこでコスモス文庫は、思い切ってイラストを排除した。内容は文庫にかけてある帯のキャッチ・コピーと、表紙を開いた所に書かれたあらすじにたより、そして分野によって色わけして目安にした、ってことだ。ボーイズ・ラブ系はブルーとか、そういった約束ごとをつけたってわけ。コスモス文庫の存在を知らない人は、カバーの色の違いだって知らないだろうし、知っている人になら見られたってあまり気にならないだろう。それすらも気になる人はブックカバーをかければいい。
ただあえてネタにマジレスするなら、表紙が全部一緒で色違いとか、作家かレーベルによほどファンがついてなきゃ売れなさそうだなあと思う。MW文庫と違って既存のレーベルと内容面の差別化を図ってるわけではなさそうだし。数年後にはラ板で「あんなレーベルあったな」という話の肴にされてそう。……あ、集英社が出した氷室冴子作品の復刻版はイメージ的に近いか?これは文庫じゃなくて単行本だけど。
クララ白書〈1〉 (Saeko’s early collection〈volume.3〉)
- 作者: 氷室冴子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/05/24
- メディア: 単行本
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ちなみにこのコスモス文庫「いばらの森」を装丁まで含めて実際に再現したファンの人もいたとか。自分も実物を見た記憶があるようなないような……