八犬伝/山田風太郎/朝日新聞社
「だいたい絵入りの読み物なら、絵は作者と同等だよ」
と、いった。
現代なら、小説をピッチャーとするなら、さし絵画家はキャッチャーではない、バッターだ、と北斎はいったにちがいない。
「それにな、お前さんは両立せんというが、小人婦女子の読み物も、飾りがつけば士大夫の文学となる。その飾りとなるのが、説教じゃ。説教すれば、士大夫はわが意を得たりとひざを打ち、一方……小人婦女子のほうもな、これが案外に説教されることをよろこぶものじゃて」
ろくごが薦めていたんで読んでみた。終盤のお路のヒロインっぷりがすごかった。