エンジェル・ハウリング(6) 最強証明/秋田禎信/富士見ファンタジア文庫

エンジェル・ハウリング〈6〉最強証明―from the aspect of FURIU (富士見ファンタジア文庫)


フリウはリス・オニキスに精霊使いとしての訓練を受ける。サリオンはそれを快く思っていなかったが、しばらく平穏な日々が続いたこともあって何も言えずにいた。そんな彼らを、帝からの命を受けた軍属精霊使いが襲う。


表紙のフリウの太ももが眩しいけど、どちらかというとリスやサリオン、軍属精霊使いといった周囲の人たちを描いた巻。特にリス爺ちゃん大ハッスル。爺ファンタジー(by衛藤ヒロユキ)。ベスポルトがああだから、黙々と(秋田作品なのでそれでも葛藤はあるんだけど)自分が為すべきことを為していくリス老人がかっこいいと見えてしまうのはしょうがない。「精霊は制御できる」が爺ちゃんのモットーだったけど、BOX後日談の『託す幕間』を見る限り、フリウは立派にその理想を体現してるんだな。力の規模が違うってのもあるかもしれないけど、20年経ってなお葛藤が続いてるオーフェンとは対照的。


ノニ、リゼル、ミッツォの3人組に対する仕打ちは、かえすがえすも容赦がなかった。まがりなりにも名前ついてるキャラがああもあっさりさっくり退場するとは……。それでサブタイトル通りフリウやリス爺ちゃんの強さが強調されたかと言うと、あっさりし過ぎててそうでもないのが尚更容赦ない。特にミッツオ。頬を踏み砕かれて死ぬって。あーんミッツォ様が死んだ!(3人の日常風景を描いたカラーイラストから妄想して)ノニリゼルミッツォの三角関係よいしょ本&ミッツォF.Cつくろー!って思ってたのに……くすん……ギャル薄命だ……。あと、この3人のパートって、『RD』のあとがきで言ってたような職業モノのテイストがちょっとあった気がした。


サリオンはまーだぐるぐるぐるぐると悩んでるんだけど、もはやスィリーくらいしか付き合ってくれる人がいないというのが寂しい。というかフリウといいサリオンといい、なんだかんだでみんな律儀にスィリーに付き合うよね。誰かに聞かせるつもりのない声でも、誰かが聞いてくれているかもしれない、とかそういうことなのかしら。