ゼロの使い魔(11) 追憶の二重奏/ヤマグチノボル/MF文庫J

ゼロの使い魔〈11〉追憶の二重奏 (MF文庫J)


ルイズの里帰りその2。ラノベでは母親は最強キャラの法則が発動。アンリエッタは口ではサイトのことを諦めたというものの、評判を聞く限りまだまだ波乱があるっぽい。先の戦争を反省したと言う舌の根も乾かぬ内から教皇に絡め取られてるし……。作者の趣味がなんとなくわかる。


そして一時的に空いたヒロイン候補の穴を埋めるのはタバサ。他の連中が露骨に色ボケしてるのに比べて使命感とでもいうべきものを持ってそうなのが和まされる。


篭絡されたアンリエッタに命じられた一行はティファニアを迎えに行き、偶然そこにいたフーケと再会するなど。キャラが活き活きしてるのが『ゼロ魔』の魅力なのに、この娘に関しては流されるままなのがちょっと違和感。フーケが反対しなかったのもなあ……。周到な彼女なら、エルフを外に連れ出したがる人間の意図くらい見抜けるだろうに。


サイトがこっちの世界にいることに不満を持たず、何かを成し遂げるための使命感を持ち出したことや、ガンダールヴのルーン影響云々は、「主人公故郷に未練なさすぎ」という感想に応えたもの、なんだろうか。今に始まったことじゃないとはいえおざなりだなあ。