神々の山嶺(1)〜(5)/谷口ジロー 原作:夢枕獏

神々の山嶺 1 (集英社文庫(コミック版))神々の山嶺 5 (集英社文庫(コミック版))


夢枕獏の山岳小説を『餓狼伝』に続いて谷口ジローがコミカライズ。原作を読了して一週間経たない内に手を出した。あらすじはほぼそのままなんだけど、谷口ジローの描く山の圧倒的な存在感に痺れた。この人の場合、「まるで実際にそこにいるかのような」って比喩が比喩に終わらないのが凄い。あんまり山が凄すぎて、日本の日常的なシーンとかが相対的に退屈に見えたくらい。単行本化に当たって加筆修正されてるのかもしれないけど、これだけのクオリティを持った作品が隔月刊誌に連載されてたんだよなー……。ここのインタビューによると月産40〜50Pらしい。


一方で、なんだか所々台詞がコマ全体から浮いてる(?)なあと思ったりもしたんだけど、この違和感が何処から来たのかは目下考え中。単純に原作付だから……?うーん。



それと、4-5巻辺りで何度も挿入された「○○何グラム、××何個、水何リットル―――」といった風な食事シーンが、やたら印象に残った。なんつうか、栄養補給素晴らし−っ!カロリー最高っ!って感じで。ゴローちゃんとは正反対に何も考えず、ただ温かいものを腹に詰めていく喜び、とか。