岸本斉史と夢枕獏

NARUTO -ナルト- 44 (ジャンプコミックス)

NARUTO -ナルト- 44 (ジャンプコミックス)

陰陽師 鳳凰ノ巻 (文春文庫)

陰陽師 鳳凰ノ巻 (文春文庫)

【オウム返し】おうむがえし

最近のNARUTOの会話シーンにおいて、「……」「どういうこと?」と並んで多用される表現。
NARUTOの会話は会話の当事者のどちらかが一方的にくっちゃべることが多い(これが“会話”の名に値するかは疑問だが)ため、間をもたせるために天才岸本が編み出した工夫。
これによって間をもたせるばかりか、漫画のテンポを崩し、オウム返しをしたキャラをバカっぽく見せる、という一石三鳥の効果が得られる。
さすがは岸本先生、凡人には思いつかないし、思いついても実行できない、実に大胆なテクニックである。

そんな小細工をする前に会話の内容そのものを練りましょうよ、岸本先生。

http://homepage3.nifty.com/konohagakure/main.html#o060


「うん!うん!」「どういうことだってばよ!?」などが某所で流行ってた時に検索してたら見つけた。これ読んで連想したのは夢枕獏。あの人もオウム返し多用するよなあ。

「しかし、いったいどうなっているのだ、晴明よ。おれはまだ、何がなんだかよくわかっていないのだよ」
博雅が、酒を口に運びながら言った。
「だから、言ったろう」
「何を言ったのだ」
「あの、道満殿のたいくつしのぎに、皆がつきあわされたのだよ」
「たいくつしのぎだと?」
「そうさ。あの男が、最初に姿を現して、何故、女犯を犯さぬのかと智興内供殿に声をかけたあの時、呪がかかったのよ」
「また、呪か」
「そうさ。それは、そのまま、智興内供殿が心の中で思っていることであった。それをそのまま言葉にして、智興内供殿のこころをからめとったのよ」
「ふうん」
「今度のことでは、その一番大きな呪が、泰山府君祭のことであったろうな」
泰山府君か」
「それで、智興内供は、すっかり怯えて、自ら、自分の身体の中にこのようなものを作り出してしまったのさ」


陰陽師 鳳凰ノ巻より


いやだからどうだってわけでもないんだけど。テンポがいいのは確か。