匿名性地域交流

今のところに越してきてから何年経っただろうか。過去数回引越しを経験したけど、年数だけで言えば1、2を争うくらい長く今のところに住んでいる、と思う。にも関わらず地域住民で名前を知っている人はほとんどいない。なにせ隣に住んでる人の名前すらあやふやなくらいだ。よくある都会人の孤独ってわけでもなく、これまでの土地では近付き合いが頻繁だったかというとそうでもないんだけど……。


ただ、文字通りの意味で顔見知りくらいならいて、自分には地域交流ってそれくらいで十分なのかなーと思ったりする。近所の住人始め、スーパーや書店、コンビニ、弁当屋の従業員、図書館の司書、お寺の坊さんなんかもそうだ。お互いに相手の名前や背景は殆ど知らない。会っても言葉を交わすことはなく、視線で挨拶するだけの場合がほとんど。世間話をしても二言三言。たまに風邪をひいている状態で会った時には「お大事に」くらいは言ってくれる。通勤電車で毎朝顔を合わせるよりちょっと近いくらいの間柄。それくらいでいい。そのくらいが気が楽でちょうどいい。お互いの背景を知らずとも同じ空間を共有するだけの間柄を大切にしていきたい。