なんとなく、クリスタル/田中康夫/新潮文庫

なんとなく、クリスタル (新潮文庫)


バブル景気(正確にはその前夜)の女子大生の空気を描いたブランド小説。注釈がなんだか『悪魔の辞典』っぽかったのは気のせいだろうか。お話としては主人公の女子大生の一人称で、これを21、22歳の大学生が書いたかと思うとちょっと寒気もしてくるけど、まあ、表層的には分かり易かった。ラストにはその当時の厚生白書から、少子高齢化を予言するデータが引用されている。