TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR/押井守/エンターブレイン

TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR


元々は富士見ファンタジア文庫で刊行された、映画『パトレイバー』2作目のノベライズ。押井版だけ復刊されて伊藤和典横手美智子のものは手つかずな辺り、『パトレイバー』というより押井守の処女長編として捉えられたんだろうなあ、という気はする。


自分がまだ浅い『パトレイバー』消費者だってこともあるのか、映画と比べて特に印象的な補足がされてるようには見えなかった。バラバラになった第2小隊のその後の様子も中途半端。ただまあ野明たち自ら第2小隊での日々をお祭りと称し、既に終わってしまったもう戻ってこないあのお祭りの日々を回顧するという、ビューティフル・ドリーマー的なアレがより強化されてるのが面白かった。劇場版『ナデシコ』いうとこところの同窓会ってやつか。そこら辺の描写がアニメではほとんどないから、自分は最初、劇場版2単体で観て第2小隊がバラバラになってること自体気づかなかったんだけど、リアルタイムで観てた人たちはそこら辺どう処理したんだろうなー。


あと、『立喰師列伝』の時も感じたけど、押井守独特の文語調の台詞回しは、ここの人が言ってる通り声優が演じてこそ格好いいのかなーと思った。