スレイヤーズ(8) 死霊都市の王/神坂一/富士見ファンタジア文庫

スレイヤーズ8 死霊都市の王 (ファンタジア文庫)


第1部完結編。世界の謎が解き明かされるのは、和製ファンタジーの醍醐味であるなあ。


ガーヴの腹から1本の白い腕が生えている、という凄惨な幕開け。とうとう姿を現した冥王フィブリゾ。お姫様よろしく攫われたガウリィを放っておくわけにはいかず、舞台はサイラーグへ。


前半のラーシャートとのバトルは、フィブリゾの策、というよりは彼との前に前哨戦をやってもらおう、という作者の意図の方が強く反映されてるように思えて仕方なかった。魔族の手段と目的もいまいちはっきりしないなー。世界を滅ぼし自分達も混沌の海に帰するために、金色の魔王の力を扱えるリナを利用した。それは分かる。でも、逆にそれ以外の方法で世界を滅ぼすって、どういうことをいうんだろー。単に比喩で、世界中の生きとし生けるものを滅ぼす、くらいの意味なんだろうか。草一本生えない荒野を現出させる、とか?でも、それで混沌の海に帰るっていうのは……?魔族が神族に勝利したらその世界は自動的に混沌の海に沈む、という決まりでもあったりして。