るろうに剣心(1)-(22)/和月信宏

るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 完全版 (01) (ジャンプ・コミックス)るろうに剣心 完全版 22 (ジャンプコミックス)


スレイヤーズ』がトリガーとなってますます90年代づいている今日この頃。


週刊少年ジャンプ1994-1999年連載。自分の思春期、ひいては90年代を象徴する作品の一つ。自分内関連作品に『エヴァ』『オーフェン』『トライガン』等。痛い過去持ちでスイッチが切り替わることにより強くなったり弱くなったりする主人公、とか。しかも武器が刀。パーフェクトだワッキー。あ、あと姉さん女房ってのもあるか。


個人的には剣心vs斉藤戦が一つのピーク。以降も嫌いではないけど、それまでは明治の時代背景を話にうまく組み込んでいたのに、京都編は王道の少年漫画的な面白さ、人誅編では剣心の個人的な事情を追求しちゃってて、あれ?これ別に明治じゃなくてもいいような?と感じてしまうようになったのがマイナス。あとは、絵柄が、週刊連載に耐えるためか段々と簡略されていったのが……。京都御庭番衆辺りのダサダサ武器とか慣れないギャグとか、滑ってる部分も多かった。や、まあ比較の問題で、斉藤戦以降も好きな少年漫画挙げろって言われて5指に入るくらいには好きなんだけど。


また、自分にとっては初めて同じ時代に生きてる、と感じることが出来る作家だった。そういう意味であの「キャラクター製作秘話」は貴重。『エヴァ』での「作った人が作品もキャラクターも全く愛していないことが伝わってきた」発言とか、どう考えてもファンサービスってよりアンタが言いたがりなだけだろう、という気もして無条件で賛同というわけにもいかないけど、どこか憎めなかったのは、自分と似たところを感じていたからだろうなあ。そうそう、プロでも人の創作物を模倣してるんだ!ということを教えてくれたのもこの作品だった。