赤朽葉家の伝説/桜庭一樹/東京創元社

赤朽葉家の伝説

若者らしさとは、なんだ?無気力と憂鬱こそ、若さという病ではないだろうか。行く手は茫洋として、やらなくてはならぬことばかり多い。霧に包まれた小船にのっているような、こころもとない季節。それがわたしの感じた十代という時間であった。


発売直後に購入して約1年半。その間発売された他の新刊『GOSICKs』『青年のための読書クラブ『私の男』は読んでいたものの、なんとなくこれだけは本棚から手に取っては戻し、手に取っては戻しを何度も繰り返していた。今回、特に理由もなく読み出し、読み出してからは早く、1日で読了。つ、疲れた……。ある一定以上の量を集中して一気に読むと、感想も何も思い浮かばないなあ。ただひたすらに圧巻だった。


読み終わったあと、大きな物語の喪失とか、otaku is deadとか、そんなことを考える。伝説なんて、その時代時代の人間がその時代なりに生きてきた結果積み重なってきたものに過ぎなくて、自分たちの世代(≠自分、ではない)に語るべき何かがないからといって別にどうってことないとおもうんだけどなー。