減点方式で作品を選ぶ、ということ

「○○だからといってこれを読まないのは勿体ない、食わず嫌いは損をしている」という話はよく聞く。でも、人生が有限で、読書に使える時間も限られているのなら、減点方式でも導入しないとやってられないよなあ、とも思う。ポジティブ要素だけであれもこれもと手を広げていったら際限がなくなることが分かってるから。


つーか、○○だからこの本は読まない、という人たちの多くは、どんなに暇があっても絶対に読みたくないってんじゃなくて、単に他の本と比べて相対的に優先順位が低いから、いつまでも順番が回ってこないってだけなんじゃないかと思う。過去の経験から判断して、あくまでその時点ではリソースを他の作品に割きたい、と思ってるだけ。時間がなくて本が読めないことを自分自身に納得させるための言い訳。例えば、その人がこれから読みたいと思ってる、同時に把握できる本の上限が50冊だとして、51冊目からは「○○という理由で読みたくない」という自分に対しての理由付けが為される。それなら上位陣が読了されれば自然と順番が回ってくるかというとそうでもなくて、日々過ごす内に色んな新刊が出て、情報を見聞きすることによって、新しい作品が次々と1〜50位の間に入ってくる。結果、いつまでも読まれることはない。それを称して「食わず嫌い」と言っている。そんな感じ。いや、自分の話ですけどね。


豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)

豹頭の仮面―グイン・サーガ(1) (ハヤカワ文庫JA)