百年の孤独/G・ガルシア=マルケス 鼓直:訳/新潮社

百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)


新年一発目の読書は、ノーベル文学賞受賞作家の代表作。なんだか聖書みたいな感覚に襲われた。


一組の男女から始まった一族が、マコンドという村で近親相姦を繰り返して子を成していく。彼らは父母の、あるいは祖父母の名前をつけられ、為に、百数十年という途方もない時間の中で、同じ名前の男たちが入れ替わり立ち代わり何度も登場する。そんな内容だったので、物語との距離というか、焦点というか、が計り辛くて混乱しました。そもそもの始まりの片割れであるウルスラと、一族と連綿と関わりを持ってきた占い師であるピネル・テルネラがほぼ終盤まで出張ってきてくれなければ、お話の骨子を掴むことは更に困難になっていただろう、と思います。が、そういうのも恐らく作者の意図の内なのでしょう。ひたすらに圧倒されました。マジックリアリズム云々はいまいち理解できませんでしたが、灰の十字架を額に持つアウレリャノの子どもたちが次々に殺されていくところとか、村の別の場所で死んだ男の血が、そこから通りに出て、歩道を進み、階段を上り下りして、流れ流れて生家の母親のところまで辿り着くといったイメージは、鮮烈なものでした。