なんて素敵にジャパネスク(5) 陰謀編/氷室冴子/集英社コバルト文庫

なんて素敵にジャパネスク 5 〈陰謀編〉―新装版― なんて素敵にジャパネスク シリーズ(7) (なんて素敵にジャパネスク シリーズ) (コバルト文庫)


主人公たちの新婚ホヤホヤキャッキャウフフの夫婦生活、その先に見える「やや」と、宮中でのどろどろの骨肉の争い。相変わらず、すいすい話が進むなあ。意外性とかにはちょっと欠けるのが難点と言えば難点だけども、十分に面白い。


……しかし、ここまで読んできて、氷室冴子という作家の何たるか、がちっとも見えてこないのはどうしたことか。『ジャパネスク』だけでこれで7巻、『少女小説家は死なない!』を入れると8巻目。どんな作家でもこれくらい読めば、作家性なりなんなりが見えてくるものなのだけど……。文体も、ニュートラルだしなあ。逆にここまで過不足ないってのもそれはそれで凄いとは思うけど。『創世記』で久美沙織がほめてたのも頷ける。