ねこひきのオルオラネ/夢枕獏/集英社コバルト文庫

ねこひきのオルオラネ (集英社文庫―コバルトシリーズ 58A)

こんにちは、ばくです。
あなた、マンガお好きですか。


大ベストセラー作家の処女短編集。「ねこひきのオルオラネ」「山奥の奇妙なやつ」「自分ぼっこ」「山を生んだ男」の4編を含む。表題作以外は、登山が何かしら関係ある話。特に最後のは、山……というかフォッサマグナ擬人化萌え小説。謎。失業したばかりの音楽家、30歳フリーターの登山家、留年した大学生などなど、アウトローというか、社会的な地位、というものを持っていない人間ばかりが主人公なのは、本人もそれまでそういった生活を送っていて、なにがしかの思い入れがあるからだろうか。『魔獣狩り』のような血なまぐささ全開の話よりは、こういった叙情的な話の方が好き。『キマイラ』はその二つの中間に位置する作品ですかね。


タイポグラフィックストーリー云々は、何故か『並列バイオ』を連想したですよ。流石にどっちにも失礼か。手法としては面白いとは思うけど、何をやりたいのかはまだ理解できてない。