とらドラ・スピンオフ! 幸福の桜色トルネード/竹宮ゆゆこ/電撃文庫

とらドラ・スピンオフ!―幸福の桜色トルネード (電撃文庫)


とらドラ!』本編は最初の頃のインパクトが薄れて停滞してるような気もしないでもないけど、これはよかった。ああんもうとかう る せ え !とか悶えたくなるような展開はそれほどでもなかったけど、やっぱりこの人の思春期男性主人公視点は最高だ。ややワンパターンではあったけど。でも、あれだけ思春期中高生の心理をいい感じに描いておきながら、勢い余って押し倒したりとかそういう行動に出ない辺りがこの人らしさ、なのかなあ。


んでも、書き下ろしの本編コンビの短編は蛇足だった。お話の存在意義としては、まあ、分かるんだけど……なんだろうな。単に、ゆゆぽは中篇もしくは1、2巻で終わる単発物が飛びぬけて面白くて、短編とシリーズものはいまいち、という話なのかしらん。まあ、シリーズ物に関しては『とらドラ!』が終わってみないとなんとも言えないけれども。短編は、『田村くん』の時もあんまり評判よろしくなかったしなー。別に、何がどう悪いってんじゃないんだけど……ばっさり切っちゃうと、どうでもいい話だから、かしらん。