指輪物語 二つの塔(4)〜(6)/J・R・R・トールキン 瀬田貞二・田中明子:訳/評論社文庫

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わしの使っとる言葉、いってみれば古代エント語では、本当の名前というものは、その名前の持ち主たちの来歴を教えてくれる。古代エント語はすばらしい言葉じゃ。だがこれを使って何かいうとなると大層長い時間がかかるのよ。わしたちはエント語じゃ何もいわないのじゃ。話し、そして聞くのに長い時間をかける値打ちがあるときは別としてな

こういう技術や巧妙な仕組みはすべて、かれが以前の知恵を捨てて代わりに得たものであり、他愛なくも自分の考案と考えていたのですが、その実はモルドールから出たものにすぎなかったからです。それ故彼が作ったものは無に等しく、あの巨大な砦、武器庫、牢獄、大工炉をかねるパラド=ドゥア、すなわち暗黒の塔の、これはけちな模型、子供の雛型、奴隷の追従にすぎませんでした。

エント族の圧倒的な力。サルマンのあっけない退場。サムの男気。ガンダルフがサルマンを評して言うところの「利口馬鹿」というフレーズがやたら頭に残った。けどこれ、別に訳者の人の造語というわけでもないのな。理屈馬鹿、でも学者馬鹿、でもなく利口馬鹿。なんか今の自分にぴったりの形容という気がする。しかしサルマン、ひでえ言われようだな。